実家の片付け、どこから手を付ければいい？円滑に進めるコツと押さえるべきポイント

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実家の片付け、どこから手を付ければいい？円滑に進めるコツと押さえるべきポイント

お役立ちコラム

2024/08/01 実家の片付け、どこから手を付ければいい？円滑に進めるコツと押さえるべきポイント

誰しも、いつか「親の老い」に直面するときがきます。
「親も年をとったな」との印象とともに、実家の片付け問題が頭をよぎった人も多いのではないでしょうか。

実家の片付けは、必要性を感じつつも、つい先延ばしにしてしまいやすいテーマです。親の老後と向き合わなければならない現実や、片付けにかかる手間が躊躇させるのでしょう。

とはいえ、できるだけ早く片付け始めたほうが良いのは確かです。今回の記事では、実家の片付けをどこから進めるべきか困っている人に向けて、円滑・円満に片付けるコツを解説します。

まずは、最後までお読みください。その上で、どこから着手すべきか、冷静に考えていきましょう。

実家の片付け、その前に…一番大切にしたいこと

「実家の片付けをする」と決心したら、（決心が鈍らないうちに！）すぐにでも実家に行って始めたくなるものです。
ただ、いきなり実家のモノを片付け始めるのは、トラブルの火種になりかねません。

実家の片付けに着手する前に押さえたい、一番大切なことを2つ解説します。

親の気持ち・意志

実家は親の住まいであり、そこにあるものは大半が親の所有物です。実子とはいえ、独断で処分してはいけない立場をわきまえ、所有者である親の気持ちや意志を尊重する姿勢を大切にしましょう。

モノに対して親なりの思い入れがあったり、子が知らない理由で保管してきたものもあるはずです。それを「実家を片付けてやっている」「生前整理だ」といった理由で処分されては、親も良い気持ちはしないでしょう。

片付けを始める前に、親自身の考えや気持ちを大切にすると、片付けが円満に進行しやすくなります。

時間と手間に対する覚悟

実家の片付けは、よくいわれるように時間と手間がかかります。「とりあえず」「できるところから」と始めたはいいものの、どうにも立ち行かなくなるケースも少なくありません。

それも当然のこと、実家には実子が把握している以上の量のモノがあります。処分方法に困り、放置され続けたモノもあるでしょう。膨大なモノを分別し、適切に片付ける作業は、思っている以上に時間と手間、そして体力と根気が必要だと心得ることが大切です。

実家が遠方で頻繁には行けない人ほど、計画的に進める必要があります。

実家の片付けはどこから着手するべきか

実際に片付けを始める段階になったら、どこから着手すればスムーズに片付けられるのでしょうか。
実家の片付けを進める手順を、3段階に分けて解説します。

(1) 親と話し合い、片付けに同意を得る

片付け作業を始める前に、まず親と話し合いましょう。目的は、片付けに対する同意を得ることです。

同意を得ないまま片付け始めると、以下のようなトラブルにつながるおそれがあります。

・親が「勝手に処分された」と問題にする
・片付けるつもりで置いておいたものが、もとの位置に戻される
・片付けられたことにより、親の生きる意欲が減退する

世代が上の人ほど、モノに対する執着心を強く持つ傾向があります。また、「もったいない」「いつか使うかも」と、処分させてくれない場合も多いようです。

片付けを始める際は、まず片付けの意義を親に理解してもらい、同意を得るステップを踏みましょう。片付けをポジティブに考えてもらうコツは、後ほど詳しく解説します。

(2) まずは自分の部屋から着手する

片付け作業を具体的に進める段階になったら、まず自分の部屋から着手しましょう。自分の荷物は、自分だけの判断で片付けを進められます。徐々に片付く様子は、親に片付けの目的やメリットを実感してもらえる効果もあります。

部屋が1つ空けば、今後の片付けを進める際に必要な「モノの一時置き場」にもできるでしょう。

ただし、自分の部屋に親の持ち物があった場合は、独断で処分してはいけません。親と相談しながら、少しずつ適切に片付けていってください。

(3) 小さなスペースから徐々に進める

実家の片付けでは、小さなスペースから進めることも大切です。小さなスペースとはトイレや洗面所、お風呂、引き出し1つなどです。小さなスペースは片付ける空間を俯瞰しやすく、片付けなければいけないモノも多くありません。

目に見えてキレイになるさまは、片付けに対するモチベーションを上げる効果もあります。

◎処分時の注意点
古い洗剤やシャンプー等を捨てる際は、自治体のルールに従いましょう。
ビニール袋に古新聞・古布を入れ、中身をしみこませた上で可燃ごみに捨てると、飛び散らず安全です。

実家の片付けを早めに始めるべき理由

実家の片付けを始めるタイミングは、早いに越したことはありません。その理由を、3つの観点から解説します。

他人のものを片付ける必要がある

実家の片付けとは、他人（親）の持ち物を片付ける作業にほかなりません。他人の持ち物を勝手に処分するわけにいかず、逐一親に「どうする？」と確認が必要になります。

この確認に、相当の手間がかかるのです。

ずっと存在を忘れていたモノも、あらためて必要かと聞かれれば、迷いが生じるのが人間というもの。「思い出の品だから」「使うかもしれないから」と保管を求められれば、実子といえども処分はできないでしょう。

この作業を家中のモノに対してやらなければならないのが、実家の片付けです。片付けにかなりの時間を費やす必要があるため、着手が早すぎて困ることはありません。

親は年老いる

当たり前のことですが、親は年々年をとります。年をとり、判断力が鈍る・決断できないという現象もよく見られること。
また、片付ける子どもを見て「自分は邪魔ものなのか」「早く旅立てということか」と、子どもにとっては不本意な気持ちを抱く人も少なくないようです。

1年ごとに親は年をとり、片付けが難しくなる現実を踏まえても、早めに実家の片付けに着手したほうが良いといえるでしょう。

作業にも時間がかかる

片付けや処分の作業そのものにも、時間がかかります。

自治体のごみに出すまでの分別作業。少ない収集日を待たなければならない、不燃ごみ・埋め立てごみ。業者手配が必要な粗大ごみ。
さらに、お焚き上げが必要な人形やお札の類、処分には所定の手続きが必要な自動車などもあるかもしれません。

時間的に余裕をもち、焦らずに作業を進めるためにも、実家の片付けは早めのスタートがおすすめです。

実家の片付けに対し親を前向きにさせるコツ

「実家を片付けよう」と提案し、二つ返事で同意してくれる親は、多くないかもしれません。大半の親は怪訝そうに、あるいは不安そうにこちらを見返すもの。

所有者である親自身が片付けに前向きになってくれることが、実家の片付けを円滑に進める大切なポイントです。片付けに対し、親をポジティブにさせるコツを解説します。

片付けによって得られるメリットを解説する

親が片付けに後ろ向きなのは、片付けに対して「老後」「死」といった、ネガティブな連想を抱いているのかもしれません。

まず、片付けはネガティブなものではなく、これからの生活をより良くするプラス効果の高いものである点を丁寧に伝えましょう。
片付けをしない場合のデメリットと、片付けによって得られるメリットを比較しながら伝えると、意図が伝わりやすくなります。

デメリット		メリット
モノ多いと、つまずきや転倒の危険がある	→	すっきり片付いた部屋は危険が少なく、行動しやすい
モノが多いと、ホコリやごみがたまりやすく不衛生	→	モノが片付くと、スッキリと清潔に暮らせる

また、モノのなかには本人しか価値がわからないものも多々あります。アンティークや玩具、コレクションなどは、興味がない人にとってはごみ同然。しかし、しかるべきところで見てもらったら、高額な買取価格を提示される、というケースもあるのです。

大切にしてきたモノの価値を正しく後世に伝えるためにも、いまからの片付けが必要であると話してみてください。

「親のためである」点を丁寧に伝える

実家の片付けは、親のための作業であることも伝えましょう。すっきり片付いた家で安心して暮らしてもらうために、大切なモノを価値のとおりに保管できるように、すべて親のための作業です。

また、片付けがこれまでの人生を振り返ったり、あらためて子や孫とコミュニケーションをとったりする機会になる場合もあります。親がメリットを感じられるポイントを探し、根気よく伝えて気持ちを前向きにしてあげましょう。

費用面の懸念も解消しておく

片付けには何かと費用がかかります。費用面に関する懸念を事前に解消しておくことは、円満な実家の片付けに欠かせないポイントです。

処分費用や業者に頼む場合の費用を見積もり、誰が負担するのかを相談しておきます。親と子で折半する予定なら、その割合も決めておきましょう。

お金は、後々の問題になりやすい点です。「親子」という関係に馴れ合わず、明瞭にしておくとトラブルを回避できます。

これはNG！やってはいけない片付け方

実家の片付けで、トラブルにつながる進め方は次の3つです。

・一方的な押しつけ
・勝手に処分する
・親を否定する言動

「〇月から片付けることに決めたから」と、一方的に押し付けられたり。
大切にしていたモノを、知らないうちに処分されたり。
「こんなに散らかして、どうなってるんだ」「モノを溜め込む性格、なんとかならないのか」と、子どもから否定されたり……

そんな場面ばかりでは、いくら親とはいえ、嫌になってしまうものです。

大人と大人、一人の人間同士として真摯に向き合い、誠実な姿勢で片付けに向き合っていきましょう。その気持ちは、きっと親にも伝わります。

実家の片付けで困らないために

どこから手を付けるべきか困った実家の片付け。いよいよ着手し、進めてみると、当初は見えなかった困りごとがでてきます。
実家の片付け作業で困らないために、押さえておきたい2つのポイントを解説します。

モノの処分・保管基準を決めておく

「処分するか、保管を続けるか」は、実家の片付けで多くの人が迷うポイントです。あらかじめ、ある程度の基準を決めておきましょう。基準があれば、軽微なモノは親の確認なしでも、子が判断できるようになります。

＜モノの処分・保管基準の例＞
・重要なモノ・二度と手に入らないものは、保管へ
・価値があるものは、保管へ

・消耗品や簡単に買い替えできるものは、処分へ
・壊れたもの、ずっと使っていないものは、処分へ

保管する場合は、保管場所も決めておきます。とくに、財産に関わる書類は相続時に必要です。親子のあいだで保管場所・保管方法を共有し、いざというときすぐに取り出せるようにしておきましょう。

親とのコミュニケーションを大切にする

片付けでは、親とのコミュニケーションも大切にしましょう。

子どもが小さかった頃の思い出の品は、「もう使うことはない」とわかっていても、親は捨てがたいものです。そんなとき、子どもが集まり思い出話に花を咲かせるのも一興。
思い出をひとしきり話すことで、親が処分に踏ん切りがつく場合もあります。あるいは、親が大切にしていた思いを子が受け継ぎ、自宅に持ち帰って保管すると心を決める場合もあるでしょう。

ただし、思い出話に花が咲きすぎ、作業が滞るのもこまりもの。思い出の品は作業の終盤に扱う、思い出話には時間制限するといった工夫で乗り切ってください。