スズメバチ駆除は自分でできる？準備するものや駆除の手順、業者に依頼するべき場合について

スズメバチの巣は、条件が整っていれば自力での駆除も視野に入れることができます。こちらではスズメバチの生態や危険性、自力駆除の条件、必要な道具、手順について説明します。スズメバチの巣が自宅や庭にある場合は、放置するのは危険です。家族やペットの安全を守るためにも、適切な対処をしましょう。

スズメバチ駆除の基本知識

スズメバチという名を聞くと、多くの人は身の危険を感じるでしょう。毎年のように「スズメバチに人が襲われた」というニュースを見聞きします。スズメバチは、いったいどんな昆虫なのでしょうか。

スズメバチの特徴と種類

日本には約4000種類のハチが生息しており、身近にいるのはスズメバチ・アシナガバチ・ミツバチの3種類です。スズメバチは、黄色と黒のストライプ模様を持つハチです。なかでもオオスズメバチは最も大きい種類で、体長は3cm以上です。スズメバチの巣は木の間や地下などに作られ、ひとつの巣には数百から数千匹が生息しています。

なぜスズメバチは危険なの？

スズメバチは、自分たちの巣や領域を守るために攻撃的になることがあります。5月から11月中旬にかけて活動しますが、巣が大きくなると警戒心が強くなり、人や動物が近づくと複数匹が一斉に攻撃してくることもあります。

スズメバチの毒針は非常に鋭く、刺されると激しい痛みを伴います。アナフィラキシーショック（重篤なアレルギー反応）を引き起こすリスクもあるため、危険性はたいへん高いといえます。

スズメバチの巣が住宅の近くや庭などにある場合、家族やペットなどの安全を守るためにも早急な駆除が必要です。散歩やレジャーなどの際にスズメバチに刺される危険性もあり、適切な駆除が求められます。

自力でスズメバチの駆除を検討する条件

スズメバチの駆除は非常に危険なため、専門家に依頼することが一般的です。しかし状況や条件によっては、自力での駆除を検討する場面もあるでしょう。自力駆除を検討するための条件として、以下の3点を確認してください。これらの条件が揃っていても、最終的には自分の判断と責任で行いましょう。

巣の大きさが10センチ程度

まず確認すべきなのは、スズメバチの巣の大きさです。小さな巣ならスズメバチの数も少なく、駆除の際のリスクが低くなるでしょう。10センチ程度の巣なら攻撃してくるハチの数も限られており、注意深く対処することで自力駆除ができる可能性があります。しかし巣の大きさがそれ以上の場合や、巣の中の状態が分からない場合は、無理をせず専門家に依頼しましょう。

巣が低い場所にある

スズメバチの巣が低い場所にある場合、巣へのアクセスがしやすく、緊急時に逃げやすいというメリットがあります。高い場所にある巣を駆除しようとすると、バランスを崩したり、脚立から落下したりするリスクがあります。また高所からの作業はスズメバチの警戒心を強める要因となるため、低い場所にある巣のほうが自力駆除しやすいといえるのです。

ハチ毒アレルギーではない

スズメバチに刺された際のリスクを考えると、ハチ毒アレルギーの有無は重要です。ハチ毒アレルギーの人がスズメバチに刺されると、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があり、その場合は命に関わります。自分がハチ毒アレルギーでないことを確認しておくことは、自力駆除を検討するうえでの絶対条件となります。

スズメバチを自分で駆除する方法

スズメバチの駆除はたいへん危険な作業です。専門家に依頼するのがベストですが、自分で行う場合は、適切な装備と手順の理解が必要です。駆除作業を進める前に、まず自身の安全を最優先してください。

必要な道具

駆除の前に、以下のような道具を揃えましょう。

防護服

スズメバチの攻撃から身を守るため、白色のものを選ぶことが大切です。白色はスズメバチにとって識別しにくい色とされており、攻撃を避けるのに有効です。手袋や長靴も含めて、白色のもので全身を覆うようにしましょう。

スプレータイプのピレスロイド系殺虫剤

ピレスロイド系殺虫剤は、スズメバチに効果的です。2〜3本用意しておくことで、複数回の使用や非常時に備えることができます。

ノコギリや枝切りバサミ

巣が木の枝などについている場合に、枝ごと切り落とすための道具です。

巣を入れるビニール袋

切り落とした巣を安全に収容するためのビニール袋は、大きめのものを選びましょう。しっかりと口を閉じられるようなサイズがベストです。

脱脂綿

殺虫剤スプレーを脱脂綿に吹きかけて、巣の出入り口を塞ぐために使用します。

懐中電灯

夜間に駆除作業を行う場合に、懐中電灯が必要です。スズメバチは夜行性ではないので、夜のほうが安全に作業を進められます。

ほうきやちりとり

スズメバチの死骸や、巣の破片などの掃除に使います。たとえ死んでいるように見えても、手で拾うのは危険です。

手順

スズメバチの駆除は、以下のような手順で行います。

①下調べ

まず、巣の位置やサイズ、活動のピーク時間を確認します。この情報は駆除のタイミングや戦略を立てる上で非常に重要です。

②装備の準備

防護服、手袋、長靴をしっかりと装着します。万一の攻撃から身体を保護するため、隙間なく装着することが大切です。

③殺虫剤の使用

まず、巣の入り口や周りにピレスロイド系の殺虫剤をスプレーします。この時、脱脂綿にもスプレーをし、巣の入り口を塞ぐと効果的です。

④巣の切り落とし

ノコギリや枝切りバサミを使用して、巣を慎重に切り落とします。この際、動きを早くするとスズメバチを刺激する可能性があるので、ゆっくりと静かに作業を進めることが重要です。

⑤巣の収容

切り落とした巣をビニール袋に入れ、口をしっかり閉じます。さらに、袋の中に殺虫剤を吹きかけることで、中のスズメバチを確実に駆除します。

⑥後片付け

使用した道具や装備はすぐに洗浄し、次回の使用に備えるか、廃棄処分を行ってください。

なお、自力でのスズメバチ駆除はたいへん危険な作業です。不安がある場合や巣が大きい・高所にあるといった場合は、専門家に依頼することをおすすめします。安全第一で作業を進めてください。

業者にスズメバチ駆除を依頼するほうがいい場合

スズメバチ駆除は、大きな危険を伴う作業です。特に日本に生息するスズメバチは攻撃的で、遭遇したら刺されるおそれがあります。以下にあてはまる場合、専門の業者に依頼することをおすすめします。

巣が大きい

スズメバチの巣が大きくなるスピードはたいへん早く、1か月程度で30センチほどになることもあります。大きな巣には多数のハチがおり、駆除の際のリスクが高まります。また巣が大きいということは、そこにいるスズメバチが繁殖力が高く、攻撃的である可能性が高いと考えられます。大きな巣を自力で駆除しようとすると、ハチに囲まれて攻撃される危険性があります。

高いところ・隠れた場所に巣がある

スズメバチの巣は、家屋の屋根裏や床下、高い木の間など、人の手が届きにくい場所に作られることも多くあります。そういった場所に巣がある場合、自力での駆除はたいへん難しくなります。特に高い場所での作業は、転落の危険が伴います。また隠れた場所に巣がある場合、巣の全体像を把握することが難しく、自力では全部を駆除できない可能性もあります。このような状況での駆除は、専門の設備や技術を持つ業者に依頼するのが安全といえます。

ハチ毒アレルギーがある

ハチ毒アレルギーを持っている人がスズメバチに刺されると、命に関わるアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。またアレルギーのない人でも、多数のハチに同時に刺されるとショック症状を起こすことが知られています。自分自身や家族の安全を守るためにも、不安がある場合は専門業者に駆除作業を依頼することをおすすめします。

スズメバチ駆除を自力でする場合は準備を万全に！

スズメバチの駆除には、専門的な知識と技術が必要です。しかしいくつかの条件が整っていれば、自力での駆除ができることもあります。巣が小さくアクセスしやすい場所にあることや、駆除のための道具を準備できること、ハチの生態や動きを理解している場合は、検討してみてもいいでしょう。

しかしどんなに条件が整っていても、思いもよらないような危険に直面することがあります。特に、複数のスズメバチに一斉に襲われるリスクは軽視できません。そのため自力での駆除にこだわらず、不安がある場合は業者に依頼してください。自身や家族、ペットの安全はなによりも大切です。自力での駆除を考える際には、同時に業者の利用も視野に入れ、必要があればいつでも切り替えられるようにしておきましょう。

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まとめ

スズメバチ駆除を自力でする際に、必ず知っておきたいことを解説しました。
必要な道具と手順を知り、自力での駆除に備えましょう。しかしなにより、安全を最優先にして最終的な駆除方法を選んでください。

大きな巣や高い場所に巣がある場合、無理をしないで専門業者への依頼切り替えをおすすめします。また自力駆除できそうであっても、ハチ毒アレルギーがある場合も同様です。スズメバチによる危険から自分や家族・ペットを守るため、安全で確実な方法で駆除を行いましょう。