【南天の剪定】適した時期や基本的なやり方、美しく保つコツを解説

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【南天の剪定】適した時期や基本的なやり方、美しく保つコツを解説

お役立ちコラム

2025/02/15 【南天の剪定】適した時期や基本的なやり方、美しく保つコツを解説

鮮やかな緑の葉と、可愛らしい赤く小さな実。コントラストが美しい南天は、庭木の中でも人気の樹種です。高木になりにくいことや丈夫なこと、お手入れが簡単なことも、南天が支持される理由でしょう。

一方で、葉が生い茂りやすく、剪定のやり方に悩む木でもあります。今回は、南天の剪定の手順を詳しく解説します。剪定に適した時期や、反対に剪定してはいけない時期、また美しく保つお手入れのコツもまとめました。

庭の南天を健康に、かっこよく育てるヒントとして、最後までご覧ください。

あらためて、「南天」はどんな木?

南天は、メギ科ナンテン属の常緑低木です。原産地は中国で、日本には平安時代に伝来したといわれています。庭木として江戸時代から愛されており、冬に丸くて赤い実をつけます。

常緑で赤い実をつけるため、彩がなくなりがちな冬の庭に、ぱっと華やかさを与えてくれます。
樹高は1.5mほど。生育がゆっくりで、あまり大きくはなりません。

 

<豆知識>南天は40種類ほどある!
南天は品種改良が進んでおり、現在40種ほどが確認されています。
一般的に「南天」といったときに連想する、赤い実をつける南天は「アカナンテン」。ほかにも、白い実をつける「シロナンテン」、葉が小さい「ヒメナンテン」、真っ赤に紅葉する「オタフクナンテン」などが人気の品種です。小ぶりな「キシンナンテン」は、盆栽に仕立てられる場合もあります。

 

南天に剪定は必要?

樹高が1.5mほどの南天。高木と異なり、手が届く範囲におさまります。そもそも、剪定は必要なのでしょうか。

 

南天を剪定しないとどうなる?

南天は、ゆっくり育つ木です。ただ、生育力はとても旺盛。葉がこんもりと茂るケースが多く、気づいたら南天だけうっそうとしていた…、という例も見られます。

 

南天は、定期的な剪定が必要な木です。不要な枝葉を減らし、風通しを良くしてあげましょう。剪定しないまま放置すると栄養が偏り、「花が咲かない」「実がならない」といったトラブルにつながります。

樹形も乱れやすく、お庭の景観を損ねる要因となってしまいます。

 

「南天は切らないほうがいい」というけれど?

「南天は切らないほうがいい」という話を聞いたことがある人も、いるかもしれません。

 

南天は昔から、縁起の良い木として愛されてきました。「難(なん)を転(てん)じて福となす」とされたためです。正月飾りや鬼門よけに南天が使われるのも、これが由来です。

 

そのため、南天を切ることは縁起が悪いとされ、「南天は切らないほうがいい」という言い伝えになったと考えられています。

ただ、剪定する分には問題ありません。剪定しないと風通しが悪くなって虫がわきやすくなり、家にトラブルを招きかねません。南天の様子を見て、こんもりしてきたと思ったら、さっと枝葉をすっきりさせてあげましょう。

 

<豆知識>南天を切りたいときは?
南天を切らないほうが良いという話に、科学的な根拠はありません。庭の状況によって、切らなければならない場合は、伐採しても大丈夫です。
南天の伐採に気持ちが進まない場合は、お清めをしてから切るのはいかがでしょうか。
お清めの方法は、家族が納得できれば、どのようなやり方でも構いません。盛り塩をしたり、清酒をかけたり、祈ったりと、心が落ち着くまで南天と向き合ってみてください。

 

南天の剪定に適した時期、適さない時期

南天の剪定に適した時期、また剪定をしないほうが良い時期を解説します。

 

南天の剪定に適した時期

南天の剪定に適した時期は、2月〜6月ごろです。冬から真夏前までの期間に剪定すると、夏の最盛期に向けて樹形を整えられます。

花を楽しみたい場合は、4月頃までに剪定を終わらせるとベスト。5月〜6月にやってくる花芽の形成期前に、枝を選びながらカットできます。

 

南天の剪定に適さない時期

一般的に、庭木の剪定は冬のあいだに済ませることが推奨されます。冬は木が休眠しており、負担を最小にしながら枝を落とせる、というのが冬剪定の理由です。

ただ、南天は常緑樹であり、冬も休眠しません。厳寒期に剪定すると、木を弱らせてしまうおそれがあるため、避けたほうが無難です。

 

あわせて、花が終わった夏後半から秋にかけてのシーズンも、南天の剪定には不向きです。この時期、南天の木は実をつけるために、エネルギーを蓄えています。剪定すると結実に必要なエネルギーが不足し、実がならなくなる可能性があります。

 

南天の剪定のやり方

南天の基本的な剪定のやり方を、順を追って解説します。

 

作業の流れは、以下の通りです。

1.前年に実をつけた枝を切る
2.不要な枝を切る
3.ひこばえを取り除く
4.葉を刈る
5.株を根元から切る(仕立て直す場合)

 

1. 前年に実をつけた枝、混み合っている枝を切る

前年の冬に実をつけた南天の枝は、2〜3年のあいだ結実しません。実がならない枝を放置すると、全体が混み合って印象が悪くなります。また、栄養が分散し、次に実がつく枝に十分な養分が回らなくなります。

まず、前の冬に実をつけた枝を見つけ、根元から切ってください。

 

2. 不要な枝を切る

次に、不要な枝を切ります。南天は細い枝がたくさん生えており、見極めが難しいかもしれませんが、1本ずつ良くみて剪定しましょう。

 

<不要な枝の例>

逆さ枝 幹に向かって伸びている枝
立ち枝 真上に向かって伸びている枝
下り枝 真下に向かって伸びている枝
絡み枝 ほかの枝に絡まるように伸びている枝
徒長枝 1本だけ、極端に長く伸びた枝
車枝 幹の同じ高さから、4本以上水平に伸びた枝
平行枝 同じ方向に向かって、上下に伸びた枝

 

望ましい方向ではない向きに伸びた枝(逆さ枝・立ち枝・下り枝・徒長枝など)は、樹形を乱すため、優先的に切ります。その他の枝は、全体のバランスを見ながら調整して構いません。

 

3. ひこばえをとりのぞく

ひこばえとは、地面の際から幹の隣に伸びる新しい枝です。南天はひこばえが多い木で、放置すると株元がごちゃごちゃした印象になってしまいます。

株を大きく成長させたい場合を除き、ひこばえは基本的にすべて取り除いてください。形状が美しく、バランスのよい南天にするには、株立ちの主幹を5本〜7本に維持することがおすすめです。

 

4. 葉を刈る

花芽がついた枝があったら、その枝の葉をすべて刈っておきましょう。葉がなくなった枝は、新しい葉を生やします。全体が新しい葉になり、見た目が美しくなります。

 

5. 株を根元から切る(仕立て直す場合)

株が大きく成長し、少しコンパクトにしたいと思ったら、株を根元から切ります。主幹の一番下の節を見つけ、その真上で切ります。

 

仕立て直す際は、株を全て切ることがポイントです。1本でも残すと、根からの養分が残った株に使われてしまい、新しい芽が出にくくなります。

幹をすべて切ると、数年かけてゆっくり成長し、新しい南天に生まれ変わります。

 

南天を健康に、美しく保つコツ

剪定以外にもある、南天のお手入れ方法を解説します。

 

冬の寒さ対策

南天は寒さに強い木で、マイナス10度程度までの耐寒性があります。関東以南の地域なら、地植えのまま冬越しが可能です。
マイナス10度を下回る日がある地域なら、寒風や霜から南天を守るための対策を施します。ただ、おおがかりな対策は不要。不織布で南天全体を覆う程度で十分です。

 

鉢植えの南天

鉢植えにした南天は、2〜3年に1度程度、植え替えしましょう。南天に適した土は、赤玉土です。単体でも使えますが、腐葉土を少し加えても良いでしょう。
肥料は、油かすなどの有機肥料がおすすめ。追肥は9月ごろ、有機肥料と緩効性化成肥料を混ぜて施します。

 

南天は、他の植物との寄せ植えも楽しめます。鉢の後方に高さのある南天を配置し、前に低木や一年草をあしらってみてください。

 

南天に適した環境

南天は、半日陰や明るい日陰を好みます。耐陰性はありますが、まったく日が当たらない場所も生育が悪くなるため、避けたいところ。朝日が適度に当たる家の東側が最適です。

強い直射日光、とくに西日が当たる場所は避けたほうが良いでしょう。

 

南天の土壌は水はけのよさ、肥沃さを重視します。地植えであれば、頻繁な水やりはいりません。ただし、猛暑が続く昨今、夏場は注意してあげてください。弱っているようなら、朝晩の涼しい時間にたっぷり水やりをしておくと安心です。

 

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まとめ

南天は、邪気を払う縁起の良い木として愛されています。真冬に実る赤く小さな実は、殺風景な冬の庭にいろどりを与えてくれ、この実が楽しみだという人も大勢います。

南天は葉が茂りやすく、またひこばえも生えやすいため、定期的な剪定は欠かせません。冬の終わりから春にかけて剪定や葉刈りをし、美しい樹形を保ちましょう。

 

剪定のご相談は、便利屋smile243が承ります。南天はもちろん、小さな木から大きな木、伐採まで、何でもお任せください。

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